セネガルの多くの地方部では、電力インフラが未整備であるため、学校での学習時間が日中に限定されてしまうという課題がありました。また、デジタル教材の活用も難しく、都市部との教育格差の一因となっていました。 私たちは、この課題を解決するため、太陽光エネルギーを活用した電力供給ソリューションを提供し、子どもたちの学習環境を改善する事業を開始しました。本稿では、その取り組みの経緯と具体的な成果についてご報告します。



本事業は、2018年から7年間にわたり、セネガルの教育現場のニーズを深く理解し、解決策を共に模索する形で進められてきました。
【開発初期の課題】 事業開始当初、私たちが提供したポータブル電源(386Wh)は、主に診療所での利用を想定していました。しかし、学校で試験的に導入したところ、先生方から「授業で使うには、もっと長持ちするバッテリーが必要だ」「テレビとパソコンを同時に使いたい」といった、教育現場ならではの具体的な要望が寄せられました。
【現場の要望に基づく製品改良】 私たちは、これらの声に真摯に応えるため、製品の改良を重ねました。
この製品開発の歴史は、私たちが現地のニーズを起点とし、実用的なソリューションを追求してきた過程そのものです。
現場の要望を反映して開発された「TUMIQUI Smart Kit」には、アフリカの教育現場での運用を想定した、3つの実用的な特長があります。

【特長①:可搬性による、盗難リスクの低減】 固定設置型のソーラーパネルは、盗難が大きな課題でした。「TUMIQUI Smart Kit」は可搬式のため、夜間は先生が施錠された職員室や自宅で保管できます。これにより、資産保全の懸念が大幅に軽減されました。
【特長②:誰でも使える、シンプルな操作性】 IT機器の操作に不慣れな方でも安心して使えるよう、私たちは「USBを挿して、テレビのリモコンで操作するだけ」というシンプルな操作性を実現しました。これにより、特別な研修がなくとも、多くの先生方がすぐにデジタル教材を活用できています。
【特長③:安定した学習機会を提供する性能】 西アフリカの豊富な日照を活かし、約5~6時間でフル充電が可能です。864Whの大容量バッテリーは、一度の充電でテレビを13時間以上再生でき、天候に左右されにくい安定した学習環境の提供を可能にしました。

「TUMIQUI Smart Kit」の導入により、各学校では学習環境が大きく改善され、定量的な成果として明確に現れました。
【成果①:学力指標の向上】 特に顕著な成果が見られたのが、生徒たちの試験合格率です。Ndioukh Fissel小学校では、導入後1年間で以下の通り、成績が大幅に向上しました。
小学校卒業認定試験 合格率
31% → 77%
中学校入学試験 合格率
59% → 97%
これは、デジタル教材の活用が、生徒の理解度と学習意欲の向上に直接的に繋がったことを示す客観的なデータです。

【成果②:プリンター活用による学習の質の向上】 パイロット校では、私たちの電源を利用してEPSON社のエコタンクプリンターを導入しました。その結果、わずか2ヶ月で7,000枚以上が印刷され、教育活動に活用されました。
これらの印刷物は、学習の質を向上させると同時に、生徒たちが学校に所属しているという意識を高める上でも効果を発揮しています。

【成果③:教員の労働環境改善】 「停電を気にすることなく、授業の準備ができるようになった」「デジタル教材のおかげで、生徒の関心を惹きつけやすくなった」など、教員の皆様からも業務負担の軽減と授業の質の向上を実感する声を多数いただいています。
電力インフラが未整備の地域において、TUMIQUIはデジタル教材の活用を可能にし、教育の質を飛躍的に向上させます。実際に導入された現場からは、生徒の学習意欲の向上といった直接的な教育効果に加え、ITスキルを問わない操作性による教員の負担軽減、ポータビリティを活かした盗難防止や地域リソースとしての活用など、持続可能な運用モデルの確立に繋がる声が多数寄せられています。以下は、学校長、学校視学官、現場教員から寄せられた具体的な評価です。

<教育関係者からの声>
セネガルで確立したこの事業モデルは、その有効性と拡張性が評価され、現在、国境を越えて展開しています。


TICAD 9 Japan FairではA36に実機の展示を行っておりますので、ぜひお越しになってその利便性とその効果を体験してみてください。
私たちは、このセネガルでの成功事例を基盤とし、今後もアフリカ各国の教育環境改善に貢献していく所存です。本事業にご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。